ソコピーチ

限界DD観劇オタクの観劇記録。

推しが劇団をやめた日。

2019年05月31日をもって、猪塚健太くんが劇団プレステージを退団することになりました。

ツイッターでは、ショックだなあとか悲しい、寂しい、と思ってる人たちが沢山いるなかで私はこの発表を聞いたときに「嬉しい」の気持ちが先走ってしまった。やっと、やっと決断してくれた。健太君が劇団をやめるということを決断してくれたことが、踏み出す第一歩がとても凄く嬉しかった。

 健太君は、どんな気持ちでこの文章を書いたんだろう。どんなことを考えて、退団することを決めたんだろう。今はそればかりが頭のなかをぐるぐると駆け巡って、最近はもう健太君を応援することに疲れ果てていた自分がこんなにも健太君のことを考える時間をまだ作れていることにびっくりしている。なんだかんだで大好きなんだよなぁと身に染みてる。もうめちゃくちゃ懐古して今の気持ちまとめておこうと思ってブログ書きます。
 私は劇団プレステージが大好き「でした。」。過去形で、大好きでした。がむしゃらで、なりふり構わず大好きな芝居をするために活動をする彼らが大好きで、そこに所属する健太君が凄く大好きでした。私は健太君がいた劇団生活の10年間のうち、8.9年の活動しかこの目では見ていなくて、劇団のことを何知ってるんだって思われるかもしれないけれど、それでも大好きで仕方なかった劇団にいつからかもやもやして、絶望して、正直解散してもいいんじゃないかなと思うようになっていました。
 劇団プレステージを知ったきっかけは、舞台観ると椅子においてあるチラシの塊の中に挟まってたペンシルビルのフライヤー。まさか自分が、2010年に上演されたBLACK PEALEを観に行ったときに、ふぅんと眺めてたフライヤーに挟まってた、旗揚げ公演のチラシにうつっていた人を8年も推すことがくるなんて当時の私は思ってなかったよ。そして、こんなにも健太君を応援するということが自分の生活の一部になるなんて思わなかった。まあ知ったからすぐに推すとかそんなことはなくて、健太君を推すきっかけはまた別にあるんだけれど。健太君をテニスで知って、あれこの人劇団のひとじゃん?って友達がゴリゴリおしてきたことで、まさかこんなにも応援してる自分がいるとは思わなかったよ。
 ハンサムライブ2011で、健太君のことをもう推しじゃん…って思うようになって、ハンサム始まる前に取ってたサイフラ再演は飛行機が飛ばなくて観劇できなかったこと。いまでも思い出すだけでも悔しい。やっと観劇できたのは、私の初めての劇団プレステージのお芝居をこの目で見れたのは、初演のハグティーだったなぁ。今でも千本桜のステージで、まぶしいスポットライトを浴びて、あのくそせまいステージに劇団員が並んでいるのにもかかわらず健太君にしかスポットライトが当たっていないように見えて、健太君しか見えなくなって、ビビビと雷が落ちたように走った衝撃。芸能人に対して「この人だ。」って思ったことは今でも鮮明に覚えていて、こんな作品を作り上げてる劇団プレステージって凄いな?!って思ったこと。赤字になったら即解散の文字を掲げて、芝居に全力で取り組もうとする姿が私にはとてもまぶしく見えて、はじめて参加した日帰りバスツアーもめちゃくちゃ楽しかった。当時ドがつくほどの新規だった私は、昔から応援しているファンの人たちをめちゃくちゃ大切にしてる人たちって印象が強くて、この劇団を応援してたら絶対楽しいんだろうなぁ、なんて思ってたよ。本人たちがどう思っていたかなんて知らないけれど、確かに当時の私は劇団に夢を抱いていました。
 千本桜からシブゲキに舞台が移って、私も上京して、初めてのシブゲキ公演のゴーストレイトを毎日通って全通していたことは本当に楽しかった。ゴーストレイト以降の作品は、夜勤で1,2回いけないことがあったとしても毎日劇場に通って劇プレのお芝居を観て、楽しかったなぁ、健太君かっこよかったなぁって思うのが楽しくて、とにかく劇プレを、健太君を応援することが本当に楽しかった。「次の作品も絶対メインになるから」と、毎回約束してくれる健太君は本当に有言実行の人で、ずーーっとメインや主役枠で作品に出てくれて、本当に本当に嬉しくて誇りだった。劇団の看板役者って言われるくらい、実力もしっかりつけて舞台に立つ健太君が、当時の私にとってみたらそれが全てで、推してる時間は本当に楽しかった。それがいつからか当たり前のようになっている感も否めなかったけれども、それでも健太君がメイン枠や主役で立つ作品を、劇団プレステージの本公演に行けばみれることが私は嬉しかった。赤字になったら即解散の文字を掲げているから、ガラガラな座席をみて、埋めてあげたいだなんてオタクの勝手なおせっかいが発動して、チケットめちゃくちゃかって周りに配ったりしたこともあったな。でも私の財力は有限なのでそれでも空席が目立ったり関係者祭りな平日の公演が悲しくなったりしたなぁ。そんな中で、劇団員の活躍でワズエンが連日満席で当日券もめちゃくちゃ並んでて、劇団も波に乗ってるなぁと思ってた時に今井さんのツイッターでの「通うオタクはくるな(要約)」発言が許せなくて、まぁその発言も劇団を知らなかった人が興味を持ってる今、少しでも多くの人に見てもらいたいからゆえの発言だとはわかってるけど、さすがに通ってるオタクは当日券並ぶな的なことを書かれた日には、通ってる側は絶望でしかなかったよ。もっと観たいと劇団に対して思う気持ちを全否定された気がして悲しかった。今まで通ってきたオタクは必要ないと言われているみたいで、とてもとても悲しかった。今井さんの不器用すぎる発言は、通ってるオタクはとても傷つきました。まぁ勝手に傷ついてるのは私だけなんだろうけど。もうその辺は今になってはもう劇団はオタクのことを大切に思っているのではなく金としてみていたんだなぁと自分の中で昇華できたので何も言わない。
 そのあたりというか、その前から少しずつ劇団に対して「ん?」って思うこともあって、握手旅も地方にいるオタクにありがとう伝えよう的なことを言ってるのをみて、じゃあ都内で通ってるオタクにはありがとうって言ってくれないの?とかひねくれたことを思ったりとか、赤字になったら即解散の文字をかかげている割にはサザンシアターはガラッガラで目に見えるような赤字がやべえなって思った。手のひら返すように「いっぱいきて」と言われても何でそんなこと言われないといけないのと劇団に対して思うようになって、劇団に対してはお金を払いたくないけど、健太君がいるから劇団の本公演に通っている自分がいて、なんで健太君は劇団に縋りついているんだろうってめちゃくちゃ思ってた。
 劇団の新規の取入れ方がへたくそで、じれったくも感じた。握手旅する暇あるなら、その場でエチュードでもして芝居観に来てくれよな!ってしてくれたほうがよかった。無銭で握手して通うオタクが何人増えましたか。あまり増えませんでしたよねって割とまじめに思ってたよ。本人たち楽しそうだったからあまり声を大にして言えなかったけど。
 気づけば健太君は劇団にいれば、主演やメイン枠で舞台の上には立てるけど、外部に出るとアンサンブルだったりちょい役だったり、メインどころではない現状が当時はとても苦しかった。どんな役でも、健太君がそこに立っていれば、どんなに端っこで健太君がお芝居してても、健太君がお芝居している位置がそこがセンターだって思いながら外部の舞台を観ていた時もあったよ。勝手な私の思い込みだけれど、私の中の健太君は誰よりも努力家だから、いつか外部でも主演ができるくらい凄い人なんだよと信じて応援してきたところもあった。だから、どうせ主役やメインを外部でできなくても劇団にいればできるし、なんて思ってる節がどこかにあるんじゃないかな、とか勝手に思ったりしたこともあった。ほんとこんなこと考えてるのって相当厄介オタクだなぁと書いてて思うんだけれど、私がそう思ってても、実は裏ではそうじゃないのかもしれないし、考えていることは本人にしかわからないし、決めるのは本人だし、こんなことを思ってても言えなかった。
 なんとかしようとリーダーの今井さんをはじめ、本公演でメイン張ってる人たちは必死に足掻いて、劇団の名前を売ろうとアピールしていたり、今後の劇団のために頑張ろうとする姿が垣間見れたりすることもあったけれども、いつも端役だったりする人たちの努力が私には感じられなくて、誰とは言わないけれど、なんで役者やってるんだろうって思ったし、毎公演成長しないお芝居にいつしかときめきも楽しさも感じられないこともあって、私はこのままだったら劇プレは一生売れないと思ったし、そのことをアンケートに書いたこともあった。繰り返される「原点回帰」のワード。責任もって愛してほしいという「他力本願」の割には成長しない芝居スキル。毎回同じようなものを見せられてる感がして仕方がなかった。なんで私こんなもののために劇場に毎日足を運んでいるんだろうと思ったこともあった。まぁ、健太君のお芝居が観たいから。が答えなんだけど。劇団の芝居にもやもやして、劇団のスネかじっているくらいだったらやめてほしいとすら思ったし、やめないのであれば健太君たちが劇団をやめたらいいのにとすら思っていたよ。きなりがやめた後の健太君をみてたら、健太君は劇団に骨を埋めるつもりでいるのかなって思うことも多々あったし、少しずつ外部でもメインどころだったり大役をもらえたり、主演で舞台の上に立つ機会が増えて、本公演にもでなくなって、映像のほうにも今までよりもめちゃくちゃ出るようになって、なんで健太君は劇団にいるのかなって思ってた。外部で吸収したことを劇団に還元したいと話す健太君にとって劇団にいるメリットってなんなんだろうって考えてたし、こういう風に思っていることは本人にへ決して言えなくて、ずっと周りの友人たちに話してた。まぁ結論はでなかったんだけど。結論を出せずに応援なんてできないし、ほんとここ2年くらいもやもやしながら応援してた。
だから、健太君が文字でこの2年で沢山考えて悩んでたって書いてて、悩んでいたのはオタクだけではなかったんだとちょっと安心した自分がいたよ。劇団は暖かい場所だと思うし、気心の知れた切磋琢磨してきた仲間がいるから、戻ってくる場所があることの安心感はあると思うけれど、でもそれだけじゃ健太君の役者人生の道は広がらないと思っていたから、健太君は凄い人だからと夢見るオタクの私は思ってたよ。
 私がもやもやしているなかで、健太君は外部でめちゃくちゃ活躍して、ポルグラで火が付いたようにファンが増えて、もやもやしている私にとって春彦を演じる健太君のことを楽しそうに話している姿をみるのがちょっと辛くて、健太君をポルグラの役としてしかみていない空気も嫌で(もちろんそうじゃない人もいることも知ってるよ。)完全に健太君を応援するということにたいして疲弊していた自分もいて、追い打ちをかけるように色んな作品に対しての感想の温度差に、こんなに温度差があるなら私はもう健太君のオタクじゃないんだなって思った。とても楽しそうに応援しているファンをみて、そう思ったんだ。楽しみだった週一のラジオも行くのもつらくなって、ここ1年であまり行かなくなったし。自分のなかでの気持ちの変化もあったとはおもうんだけれど、推しのすすむ方向と自分が応援したいベクトルが少しでもずれちゃうだけで、こんなにも楽しくなくなるんだ~って思った。健太君自体は何も変わっていないけれど、私の気持ちが変わってしまったんだなってことにもちょっとずつ気づいてはいたけれど、今まで応援してきたこともあるから自分のために気づかないふりをしていて、自分で余計にもやもやを助長させてた。もやもやしてるなかで、健太君がポルグラ続編が決まったことに対して嬉しそうに報告している姿や「続編が決まったのもTwitterでの反響が大きかったことや応援してくれるみなさんのおかげです」と言ってるのを観てしまって私の心は折れたよ。いや私続編なんて望んでいないし。ってなったし、私はもう、健太君を応援しているうちの一人になれなかったんだなぁって感じて、勝手に悲しくなってた。暗くなるまで待ってを観て健太君のお芝居を観ることも嫌になってたりして、ここが潮時なのかなぁなんて思ってたんだけれども、そんななかでの退団発表で、ちょっと待てよと思いとどまってしまった。
 やっぱり、私は健太君に夢見てるオタクだから、健太君のお芝居で沢山救われて、夢とか希望とか、キラキラとか、役者さんを観て「この人だ」と思ったその時の私の直感をやっぱり信じていたいから、どこまでも縋りついてみっともないけれども、だからこそ思うことが沢山ありすぎて、だから健太君に何してほしいんだよって感じだけれど、健太君が新たに決断した一歩にまた夢を持ちたいと思ってしまった。
 こんなオタクの戯言は本人には一生伝わらないし、第三者も理解できないと思うけれど、人生でこんなにも応援したいと思えた人のことをそう簡単には切り捨てられないんだなと思ったよ。
 健太君が沢山悩んで考えて、感じてきた時間の答えを出してくれて私はとても嬉しいです。健太君にとって劇団を退団するという決心はきっと私には想像が計り知れないことだと思います。今回の一歩踏み出す勇気と行動力と決断が、今後の健太君にとって最良の選択だったと思えたらいいなと願うばかりです。オタクの私は健太君が選んで歩む道を眺めることしかできないけれど、これから先健太君が選んだ選択がオタクにとってはもやもやすることであったとしても、健太君がこれだと思ったことに対しては全力で進んでいってほしいな。劇団プレステージの猪塚健太くんには、嬉しいことも楽しいことも、悲しかったことも悔しかったことも、色んなことをオタクとして勝手に共有してきたので、これからも私が心地いいと思う距離から勝手に共有させてください。10年間、お疲れさまでした。そして新しいスタートが健太君にとって最高のものになりますように。
 健太君への沢山のありがとうを込めて。